「日芽、久し振りー!」


「久し振り!」



年が明けて、新学期。


今は体育館の中で、全校生徒が集まるのを待ってる。


あれから、ジョウは私のことを守ってくれてる。


いわゆる、束縛という形になってるんだろうけど、嬉しい。



「何か進展あったの?」



なんて、怪しい笑みを浮かべながら美緒は私に迫って来る。



「美緒はどうなの?」



今気付いた。


水族館に行った時、途中で美緒達は何処かに行っちゃったから。


その後、二人がどうなったのか知らないんだ。



「…仁君がね、好きかもって言ってくれたの」


「へ?」


「ちゅーもしちゃった」


「はい!?」


「………」



私達の過剰な反応に、美緒は睨んで来た。


展開が早い気がする…。



「…良いでしょ、別に…」


「う、うん。そうだね」


「何か適当っぽい!」


「ごめんってば!………あ、あれ見て」



私が指差した先には…


今やって来た8組の最後尾で、手を振ってるジョウと仁君が居る。



「うわ…私、今何となく日芽の気持ち分かった気がする…」


「でしょ…?」


「うん……恥ずかしい……」



渋々二人で手を振り返すと、彼らは大いに喜んでた。



「皆さん、明けましておめでとうございます…」



やっとのことで朝会が始まった。


弥生と奈津も、美緒の恋バナを真剣に聞いてる。


それで担任に目で怒られて、皆で笑い合ったり。


それが嬉しかった。