「まじ痛かった…頑張った…俺!」
頭にタオルの乗せて戻って来たジョウ。
お父さんのスエットは大きくて、ジョウには合ってない。
「ちゃんと髪拭いてから来なよ」
「…怒ってんの?」
「…うん」
理由なんて分かんない。
「どした?」
ジョウは、私を心配して隣に座って来た。
まだ髪の毛は拭かれていない。
「…何でもない。お風呂、入らないと」
「………」
ジョウがあんな意味深な言葉を言うから。
考えちゃう。
「…どうしよう」
そのことは置いといて、私がお風呂から出たら…どうなるの?
いくらジョウと経験があるからって、慣れるものじゃない。
「日芽ー」
「え!?」
突然聞こえたジョウの声に振り向く。
お風呂の扉に、ジョウの姿が映っていた。
「なななななっ!」
「冷蔵庫開けていい?喉乾いたー」
「うん、どうぞ!」
「サンキュー」
そのままジョウの姿は消えて、シャワーの音だけが響いた。
何考えてんの、私…
ジョウは、そんなこと少しも考えてないじゃん。
「…はぁ……」
もう少しでのぼせそうになるくらい浴槽に浸かっていた。
「……ジョウ…?」
リビングに戻ると、ジョウは静かにソファに座っていた。
たまに、笑って手を叩く。
可愛い……