ジョウは、美味しいって言って食べてくれた。
私がまだエプロン姿なのを見て、可愛いって、似合うって言ってくれた。
凄く嬉しかったよ。
「お風呂どうする?傷にしみるかもしれないけど…」
言うと、ジョウはテレビから視線を私に向けた。
暫く唸ると、一回だけ深く頷いた。
「入らないわけにはいかねぇだろ。我慢だ、我慢!」
「大丈夫?」
「おう!」
ジョウスマイルを見て安心した私は、タオルとお父さんのスエットを渡した。
立ち上がって歩き出したジョウは、扉の処で立ち止まった。
「日芽」
呼ばれて振り返ると、ジョウは優しく微笑んでた。
心臓が、ヤバい。
「一緒に風呂入んね?」
「……はい!?」
真っ赤になって、焦る私を見るジョウは爆笑し出した。
そして、タオルを落とす。
「うそうそ。日芽、可愛い」
「………」
「…日芽」
「一緒には入らないよ!」
「良い嫁になれよ」
いつの間にかタオルを拾っていたジョウは、そのまま姿を消した。
放心状態になる私は、心臓の鼓動が有り得ないくらい速くて。
でも、今の言葉は…何か…違う。
―ジャー…
シャワーの音が聞こえて来る。
何だか、悲しかった。