24日、私を除く三人が家を出て行った。


お正月を田舎で過ごす為に、今日から里帰りだそうで。


帰って来るまで、私は一人暮らし気分。



「…大変……」



一日目にして、一人暮らしが大変だと感じた。


ジョウも、大変なのかな……。



―ピンポーン…



チャイムが鳴って、慌てて玄関へ向かった。



「……ども」



扉を開けると、顔中傷だらけのジョウが立っていた。


元々会う約束はしていたし、昨日は普通だったのに。



「…どうしたの?」


「…寒い。入ってい?」


「うん…」



私の家に入った彼を心配して見るけど、金髪は変わってない。


リビングに入ったジョウは、部屋を見回してからソファに座った。



「…どうしたの?」


「……バイト帰り、歩いてたら絡まれた」


「え?」


「瑠奈の元カレ…まじ何だっての」


「…瑠奈先輩…」



まだ…その人は居たんだ。


ガーゼをしているせいで、あまり表情が分らない。



「でも、何も反撃はしなかった。それに、前進した。日芽のおかげだよ」


「なに?え?」


「日芽が居てくれて良かった…」



そう言って、隣に居る私を抱き締めた。


その言葉の意味が分らなかった私は、ただ首に感じる力を受け止めるしかなかった。



「…ジョウ?」


「………」


「……ジョウ」


「うん」


「ジョウの家、行きたいな」


「…明日な」



今日、ジョウは家に泊まる…らしい。