手を繋いで階段を下りていると、数人が騒ぎながら私達を抜いて行った。



「もう二年だぜ」


「え?あ、そっか」


「同じクラスになれっと良いな!」



立ち止まって、歯茎まで見せて微笑むジョウ。


青いマフラーが、とっても似合ってる。



「だね!そしたら、出席番号近いかな?」



言って、私も笑った。瞬間。



―キャハハハ…



上から私の頭にゴミが降って来た。



「………」


「おい…!何だよ!」



ジョウは慌てて私に乗ったゴミを払ってくれた。



「誰だよ!?」



絶対、絶対本当に怒ってる。


そんなジョウのブレザーの裾を引っ張った。



「いいよ。気にしない」


「でも、今のは」


「いいの!」



まだ犯人を探そうとあたふたするジョウを置いて、階段を下りた。


駐輪場に出た時、髪を無造作にグシャグシャにした。



「日芽!」



追い付いて来たジョウは、私の肩に手を置いてぐいっと引っ張った。


今は、顔を見られたくないのに。


強制的に振り返って、ジョウと向き合う形になってしまった。



「………」



だって、今、目に涙が溜まってるんだもん。


髪はボサボサで、ゴミが付いていて…全然可愛くない。



「…私だって、悔しいもん…」


「だったら、何で」


「だからだよ…。あそこで暴れたら、きっと、もっと酷くなる…」



ジョウは、ボロボロと涙を零す私の髪を、手で解かして眉間に皺を寄せる。



「…分かった。じゃあ、泣くな」


「…うん…」



慌てて涙を拭う。