ジョウが、女装姿で照れくさそうにピースをしている写真…



「…これ…」


「あ、それ奈津が撮ったんだよね。喧嘩して、女装を見れない日芽を思って」


「300円もしたんだよ!?」



冗談半分で怒る奈津を見て笑って、写真に目を移した。


ほんの少し、頬が赤いのが可愛い。


結局、私はこの姿を生で見ることは出来なかったんだっけ。


思い出し笑いをしながら、最後の一枚をめくった。



「あ!そんな写真あったんだ」


「かわいー!!」



私とジョウが、しあわせそうに笑っている写真。


ピッタリと肩をくっつけて、屈託のない眩しい笑顔で。



「…ありがとう…」



誰に対してでもなく、静かに、呟いた。



「日芽ー、お前ホントに無事で良かったぁ」



放課後、今朝別れた角でジョウが私の肩に手を回した。



「どうしたの?」


「日芽が居ない間、俺、生きてる気がしなかった…」


「…ホント?」


「…俺、まじ日芽んこと好きだわ」


「…私も好きだよ」



私もジョウの背中に手を回そうとした時、すれ違った同級生がこっちを見ていた。



―良くやるよねぇ


―汚れたくせに!



その言葉の意味が分からなくて、私はジョウから離れた。



「どした?」


「………」


「…日芽は汚れてねぇだろ?処女だもんな!」



意地悪そうな笑顔を作った彼は、私の手を握った。



「気にすんな?」


「…うん」



…何でかな……


ジョウと心が、重なって見えるんだ…