―コツン…
私も一緒になって片付けていると、窓から音が聞こえた。
振り向くと、向こうのベランダにジョウが立っていた。
私も慌ててベランダに出た。
「よっ!」
私が聞きたかった、第一声はコレじゃない。
俯いて、制服の裾を掴んだ。
「…ごめん!!」
真面目な声色に、顔を上げる。
「俺、バカだった。何か迷ってた。でも、頭ん中は、日芽でいっぱいだった」
「………」
「変なことして舞い上がって、女子と一緒になって笑って…でも、頭ん中は」
「分かった」
「………」
「分かったよ…」
私は、格好も気にしないで教室から出ると、西棟へ走った。
ジョウ、ありがと。
私も、ジョウが好き。
「ジョーウ!」
「日芽!」
1組に入り、ジョウに抱き付いた。
「…大好きだ…」
「私も好きだよ…」
身長差、20センチ。
背伸びする私。
目を細める周りの人。
「…キレー!!」
「だな!」
夜の学校が、証明に照らされた。
ハートや星の模様が浮かび、誰もが見とれている。
私達も、その場の雰囲気に負けて触れる程のキスをした。
手は繋がったまま。
「…明日の後夜祭は、どんなふうになるんだろうね」
「今日がこんなに綺麗なのにな」
暫く沈黙し、ジョウが短く声を上げた。
「…そうだ!俺、日芽に渡さないといけないもんがあるから、教室行って来るわ!」
「え?ホント?」
「おう!そこで待ってろよ!」
「うん」
手を離し、私は木の下に座り込んだ。