「あらら、ジョウったら、気付かなかったわよ」
先頭を歩く金髪が、私を見下ろす。
身長…165cmくらいはあるだろうか。
「…日芽ー!…あれぇ…?日芽~~~!!」
再び、ジョウは私の名前を呼びながら横を通った。
ジョウ、私は此処だよ?
「…ジョウ…」
誰にも聞こえないくらいの声量で、呟いた。
すると、ジョウはピクリと肩を反応させ、先輩達の横で立ち止まった。
「ジョウ、久し振り」
「先輩、チビ見ませんでした?」
「…チビ?」
「彼女」
先頭の金髪とジョウが話を進める中、私はずっとドキドキしてた。
信じてる。
「知らない。見てない。それよりー、私達、ジョウのこと探してたの。遊ぼうよ?」
「…先輩、嘘吐くなんて、性格悪いっすねぇ」
そう言ったジョウは、先輩達をかき分けると私の腕を引っ張った。
「ちょっと!」
「先輩、手出そうなんて卑怯な真似、俺が許さないっすよ」
言うと、ジョウは教室まで私を引っ張り、思い切り扉を閉めた。
「……ジョウ…?」
「…焦るし…さっきまで、此処に座ってたのに、居なくなってたから…」
「…ごめんね」
ジョウは、私を優しく包み込んだ。
「日芽は悪くねぇよ。原因は俺だ。暫くは、辛いかもしんねぇ」
「…平気だよ。ジョウが守ってくれるんでしょ?」
「当たり前じゃん!」
「嬉しかった…。ありがとう…」
真昼の風が吹き抜く中、私達はキスをした。