「…やっぱり、混んでるね…」
「…うん」
私達は、売店の入口で人の多さに呆然としていた。
「並ぶ?」
「うん」
時間を気にしながらも、ずらりと並ぶ列に加わった。
それから、他愛のない話をして盛り上がったり、物真似をやったりして時間を潰した。
そして、やっと私達の番が次という場所まで来た。
「次の方ー!そこに名前と注文番号書いてねぇ!」
「はーい!」
返事をして、私が鉛筆を握った。
「美緒、何にするー?」
「オレっ、Cセット!」
いきなり、後ろからデカい声が聞こえ、反射的に振り返る。
そこには、見知らぬ男が三人、横に並んで居た。
時間的に諦めたのか、長かった列は無くなっている。
「美緒は?」
「私は…」
「オレ、Cセット!」
「美緒!」
「Cセット!」
何故か、話したこともない人と言い合っていた私。
その人は、背が高くて茶髪で、髪がつんつんに立っていて。
カッコ良いと思った。