ジョウの隣で、夜空を仰ぐ。



「…綺麗だね」


「うん。このまま、日芽とずっと一緒に居たい」


「……居るでしょ?」



起き上がり、少し遅れて、ジョウに問う。


ジョウは寝転がったまま、にっこりと微笑んで親指を立てた。



「だなっ!」


「…何があっても、私はジョウのことが、好きだよ?」


「俺も…」



ジョウは起き上がって、私の首に手を回した。


私も、ジョウの背中に手を回す。



「……約束だよ」


「…おう」



暫く沈黙しまま、私達は同じ態勢で居た。


唇を合わせることもなく、押し倒すこともなく。


そして、ジョウが離れた時、何故か彼は爆笑した。



「…なに?」


「日芽の名字って“はしもと”だろ?」


「うん」


「俺も“はしもと”」


「ホント?何か、運命みたい!凄いよ!漢字は?」


「………」


「…ジョウ?」


「やべぇ…日芽、可愛い」



鼻を触り、照れながら言うジョウ。


その言葉に驚いて、私は顔を真っ赤にして俯いてしまった。



「…俺の“はしもと”は、ハシにホン。普通の橋本」


「…私は、ハシにシタ。珍しい橋下」



言い終わった後、理由は分からないけど私達は笑い合った。


それから、本当に時間がヤバいことに気付いて急いで家に向かった。


親には、何も言われなかったよ。


ありがとう、ジョウ。


大好き。