8月15日。


この日は、何故か登校日。


久し振りに着た制服で道を歩き、初めてジョウに触れた駅に着く。



「…憂鬱」



呟くと、丁度電車が来た。



「大掃除やるぞー」



担任の勝手で分担が決まり、私と美緒は花壇の水やりになった。



「向日葵だー!」



何故か、花壇にはいっぱいの向日葵が大きく咲いていた。


私は、携帯を取り出して写メを撮った。



「綺麗だから」


「良いな!私も!」



水やりも忘れて、写メを撮り続けた。



「お二人さーん。水やりは終わったんですかー?」


「…あ、」


「仁君!」



背後から聞こえた声は、仁君だった。


その隣に、何故か苦笑気味のジョウ。


美緒は、勢い良く仁君に抱き付いた。



「ジョウ達も花壇?」


「花壇付近。雑草デス」


「でも、美緒が居たからラッキー!」


「私も仁君が居たからラッキー!」


「………」



仁君を睨むと、抱き付く美緒に気付かれない様、彼は鼻で笑った。



「向日葵じゃん!日芽が育てたん!?」


「ううん。咲いてた」


「すげ!環境委員すげぇ!」



子供の様にはしゃぐジョウを見ると、自然に笑顔になった。



「あれ?」



気付けば、美緒達は居なくなっていた。



「…ジョウ、可愛い」


「向日葵、めっちゃ好き!!」



突然、殺気を感じ、振り返ると先輩達が曲がり角からこっちを見ていた。