「雨じゃんかー!」



次の日、雨にも関わらず一応ということで駅に集まった私達。


雨でも入れるのは入れるけども、寒いのは確かだった。



「………」



私は、何でこの場に美緒が居ないのか分からなかった。


美緒ではなくて、違う女の人が居る。



「美緒は?」



仁君に問うてみた。


私よりも遥かに背の高い仁君は、私を見下ろす。



「…何言ってんの?美緒は友達じゃん。彼女はこいつ」


「千佳でーす」


「……どうも、日芽です」



軽めに頭を下げると、千佳さんはケラケラと笑った。



「この子、ジョウの彼女?全然タイプ違くない?」


「人数合わせに決まってんじゃん」


「そうだよね!ジョウが優等生ちゃんに手出すわけないし。だったら、瑠奈呼べば良かったね。ジョウと仲良いじゃん?」


「瑠奈な!あいつスタイル良いし、ジョウと良い感じだし」



二人の会話が、どんどん遠ざかっていくみたいだった。


私の目の前に居て、私も此処に立っているのに。



「何やってんだよ」


「瑠奈の話!」


「は?余計なこと話すなよ。ってか、今日もう無理っぽいし。解散な」


「まじかよ」



何故か、今、少し安心してしまった自分が居た。



「じゃあ、私達電車だから。バイバイ、日芽ちゃん」


「さようなら」



苦笑気味に手を振った。