「…日芽、こっち向け!」


「え?」



―パシャッ



終業式が終わり、下校時刻。


明日から、夏休み。



「うわ!日芽、まじアホ面!ツボだーっ!」


「見せて!」



ジョウから携帯をひったくる。


しかし、既に手遅れで待受画面に戻っていた。



「わりぃ、保存しちまった!」


「消してよ!?」


「どーしよー。すげぇアホ面で、可愛かったしなぁ」


「私が嫌!」



言うと、ジョウは私から携帯を取ると、何かを操作し始めた。



「消した!な、ゲーセン行こうぜ!プリクラ撮ろう!プリクラ!」


「え?ちょっと!」



何の躊躇いもなく、ジョウは私の手を引っ張った。


ジョウは慣れてるのかなとか。


私達は、学校から一番近くにあるゲームセンターにやって来た。


そして、真直ぐにプリクラスペースへ向かう。



「げ、400円!?たけー」



言いながらも、ジョウは財布から400を取り出し、機械に入れた。



「私出すよ」


「良いよ。俺のおごり!」


「…ありがと」



こういうことを、さらりとやってしまうこととか。


バカなことを考えてしまう、自分が居る。



「…日芽、写真写り良いな」


「ホント?やったー!」



プリクラを一枚と、少しだけUFOキャッチャーをやった。


私がリラックマが好きと言うと、ジョウは苦戦しながらも取ってくれた。