「………ん、」
気が付いた時には、私は保健室のベッドに寝ていた。
きちんと布団がかけてあって、暖かい。
「…ジョウ?」
起き上がると、ベッドに突っ伏せて寝ているジョウが居た。
ジョウが、私を此処に?
「…あれ…?日芽、起きた……?」
「…あ、ごめん。起こした?」
「…別にー」
言うと、ジョウは起き上がって伸びをした。
「まじビックリした。振り向いたら、日芽が倒れてたからさ」
「…そっか。ジョウが此処に?」
「おう!」
にかっ、と微笑んだ彼は、何となく太陽みたいだった。
「ありがとう…」
「日芽めっちゃ軽かったし!ちゃんと食ってんの?」
「軽い?ホント?」
「嘘!」
わははっと笑ったジョウ。
すると、ベッドのカーテンが勢い良く開き、夏木先生が立っていた。
「あなた達、うるさいわよ!」
「先生、ありがとうございました。もう大丈夫なんで、帰ります」
「あら、そう?気をつけてね」
ベッドから下りると、カゴに入っていた鞄を取った。
「ホントに平気なん?」
廊下を歩いている時、隣に居るジョウが言った。
「平気だよ。ありがとね」
「…送るし!」
「え!?」
いきなり手を引っ張られ、ジョウと一緒に駐輪場へと走った。