携帯片手に、廊下を走り続けた。


揺れるスカートなんて気にしない。


一個目の角を曲がり、次の角を右に曲がる。


すると、小さな扉があってそこを抜けると体育館前である。



「……え?」



扉を出た途端、私の足はピタリと止まった。


目の前の光景に呆然しながら、息を整えた。



「…何で…?」



ジョウは、私を此処に呼んだ。


しかし、私に背を向けて立つジョウは、女子に囲まれていた。


私の体は固まって、ピクリとも動かない。


息もだいぶ落ち着いて来た頃、ほんの少し、お腹に痛みを感じた。



「……痛っ」



それは次第に痛さを増し、ついには、立っていられなくなった。


私は、その場に倒れこんだ。



「…見て、誰か倒れてる」


「…ん?」


「…一年じゃん?ジョウ、知り合い?」


「……日芽!?おいっ…何があったんだ、おい!」


「……あっ!ジョウ、何処行くのー!?」



何でかな。


さっきは、我慢出来なくなるくらいに痛かったのに、全然痛くないや。


何か、浮いてる感じ。


死んじゃったの?