「………」



天井を仰いで、オデコに腕を乗せた。


そして、盛大な溜め息を吐く。



「…期待させるな」



それからは、眠ってしまったのか、記憶がない。



「…お腹痛いよー」


「大丈夫?保健室行ったら?」



次の日、確かに朝は元気だったのに学校に着いた途端腹痛に襲われた。


それは、3限目の今でも続いてる。



「譲君に呼ばれたから、緊張してるんじゃない?」


「死にそう…」



授業中は、痛みが和らいでいるのに休み時間になると痛くなる。


まるで、海の様。



「痛い、痛い、痛い、痛いっ!!」


「…寝てなさい」



美緒に言われ、机に突っ伏せていると、頭がぼーっとして来た。


音が聞こえなくなってから暫くしてふと、顔を上げると何故か私の目の前にはジョウが立っていた。



「…何で?」


「寝顔見ちゃった!」


「え!?」



立っているジョウを見上げる私。


沈黙が続き、ふんわりと風が吹いた。

―…



「………あ、れ?」



ふんわりとした風は変わらず、しかし目の前にジョウの姿はない。



「…夢かよ」



呟くと、黒板上の時計に目を移した。


4時36分。



「放課後じゃん………放課後!?」



授業も寝ていて受けていないし、お昼も食べていない。


それはどうでも良いとして、慌てて鞄を取ると教室を飛び出した。


ジョウとの約束がある。