―このまま、日芽と一緒に居たい。
「……ん…?」
目を覚ますと、机に突っ伏せて寝ていた。
夢の中だけれど、久し振りにジョウを見た気がした。
「…見たくなかった…」
起き上がって窓の外を見ると、日が落ちかけていて薄暗くなってた。
クラスが嫌で、一人で時間を過ごす為に寝たんだっけ?
ダルい体を起こしてから鞄を取って、教室を出た。
「おー、橋下。やっと起きたかぁ?」
途中で新しい担任に会って、引き止められた。
クラスも嫌いだし、この担任も嫌い。
「そういえば、昇降口にお前を待ってる3年が居たぞ」
「…誰?」
「さあなぁ。新しい彼氏か?」
ニヤけるこの人を見て思った。
冗談下手くそだなって。
「サヨナラ」
ヒラヒラと手を振って昇降口に向かった。
途中で名前を呼ばれたけれど、怒られると分かってたから無視した。
―ガタンッ
下駄箱を開けて靴を放り投げると、昇降口からあの人の顔がひょっこり出て来た。
「何やってたの?」
そう言われるも、返事を返さないで昇降口から出た。
「おーい!」
「はい?」
振り返ると、何故か私の目線は上を向いた。
前からの癖だった。
ジョウとずっと一緒に居たから。
私よりも背の高いジョウだったから…。