「日芽ー!!」


「…あ、美緒!久し振り!」



【現在】



「日芽、髪切ったんだ。何か、別人ー」


「昨日ね!自分でもビックリしたよ。顔がデカく見えるんだもん」


「丸顔!」



あの時の様に、私達は笑い合った。


年はとっているけども、中身は全くと言って良い程、変わっていない。



「今日ね、橋本君来ないんだって。残念!」


「…別に残念じゃないよ。昔の話だもん」


「…まあまあ!!」



美緒に背中を叩かれ、居酒屋に入った。


そりゃ、少しは緊張してたよ。


でも、それは、昔のことで。


今となっては、遠い思い出だから。



「美緒と日芽!?めっちゃ変わったー!」


「変わってないよ」


「中身は全っ然!」



高3のクラスメートは、皆同じ言葉を繰り返して。


18歳のあの時に、戻った様だったけど、一つ、ポッカリと空いた席が寂しかった。



「社長?本当?」


「本当だよ!もう、契約とか大変!」



ある人は社長、ある人は店長、ある人は…


各々夢に向かって、バラバラになった私達。


無事にゴールした人も、そうでない人もいるけれど、皆、しあわせそうだった。



「日芽は?OL?」


「…私は…」



そう、私も。