「…いって…」



お尻を擦ってばかりで、私に気付いているのかいないのか…。


何年生なのかも分からない。



「…あの…大丈夫、ですか?」


「大丈夫だけどさ…昼寝の邪魔された」


「…私に?」


「そう」



立ち上がった彼を見て驚いた。


私と同じくらいの背丈だったから。



「木の上で昼寝ですか…」


「ま、良いよ。ってか、お前何年だよ」


「…2年です」


「ふーん」



見るからに無関心ってことが分かる。


その人は欠伸をして、突然笑った。



「…え?」


「明日、また此処に来なよ」


「はい?」


「良いもん見せたげる」



そう言って、彼は校舎の中に入って行った。


結局、彼の名前とか学年とか何も訊けなかった。


でも、私はまだジョウが好きだし…別れようとも言われてない。


どうしたら良いんだろう……?



「日芽、何処行ってたの?」


「中庭。私、あのクラス嫌だ」


「私もちょっとねぇ」



美緒も今のクラスが嫌みたい。


クラス替えなんて、無くて良いのに…。