ジョウが居なくなってから、5日が経った。


今日は新学期で、さっきクラス替えの紙を貰った。



【5組】


【橋本譲】

【橋下日芽】



ホントは、これを二人で見て二人で喜ぶ筈だった。


一人で見て、一人で静かにガッツポーズだなんて…虚しい。



「クラス違くなっちゃったね」



まだ気まずい雰囲気を漂わせながらも、二人で並んで歩く。


桜の花びらがヒラヒラと舞ってる。



「美緒は前半だよね。2組。棟も違うし」


「体育も違う!」


「でも大丈夫だよ。帰りとか、帰れる日は一緒に帰ろうね」


「…うん」



あれから、美緒も仁君もジョウの話をしなくなった。


何か、前に美緒と喧嘩した時のジョウみたい。



―聞いて!ジョウ、停学だって!!


―えー!?せっかく同じクラスになれたのに?


―じゃあ、あの子は?彼女だった……



今日、何回かその会話を聞いた。


その言葉の後、私に視線を向けて笑うの。



「じゃあね!」


「うん」



美緒と別れて、私は5組の教室に向かった。


私の前の席はぽっかり開いていて、そこはジョウの席。



悲しいし、虚しい。