「…どうしよう…どうしよう…」



もう、慌てて何が何だか分からない…。


とりあえず、仁君に電話して今何処に居るのか聞いて……



『もしもし』


「ジョウ居ないよ!どうしよう!!」


『…日芽……?』


「…え?」



私…間違えて美緒に電話してるし…。


どうしよう…。



『…譲君居ないの?』


「え、うん!さっき居なくなったって!私、色んなとこ探してっ…」


『落ち着こう!私も探したげる!!』


「……ありがと…」



ぶわあーって、涙が溢れた。


これはもう、止められない勢い。


携帯をポケットにしまって、また走り出した。



「…ジョウっ…どこ…」



道行く人達は、皆私を見てる。


涙を流しながら、あちこちを見回して、おどおどして。


お巡りさんを呼ばれてもおかしくない。



「日芽ちゃん!!」


「…あ、仁君!」



膝に手をついて呼吸を整えていると、前から仁君が走って来た。


美緒は何処に居るんだろう……。



「ビックリしたよ!探すとか言って、いきなり電話切るから」


「ごめん…」


「いや、別に良いけど……ってか、ジョウ居たか!?」



焦る仁君の前で、首を振る私。