『だから言ったじゃん?俺は止めとけって』


「うーん…」



次の日、何故か私は朝からジョウの愚痴に付き合わされてた。


ジョウ、さっきから友達の悪口ばっかり言ってる。


私もよく分からないから曖昧な返事しか返せない。



『俺……』


「え?」


『何酔っ払いみたいに話してんだかね…』


「え?別に…。だって溜めてたらストレスになっちゃうし…」


『はぁ…』



電話で溜め息吐かれても……。



『あ!俺、伝えとかねぇといけねぇことあった!!』


「…なに…?」


『仁がこの前、美緒と話したんだって。全部話したけど、美緒は頷かなかったって』


「そっか…」



何か、もう何をしても無駄な気がする。


仲直りなんて、出来るのかな……。



『日芽も仁も、悪くないんだから自信持って良いんだぜ?』


「……うん」



ベッドから下りて、ベランダに出た。


すっかり春になった景色は、心を豊かしてくれるみたいだった。



『…じゃあ、俺、用事あっから切るわ』


「…うん…バイバイ…」



もう奈津と弥生とも連絡を取ってない。


…独りぼっちになったみたい……。