現在、20:20の同点で時間は残り1分程度。


私達のクラスが攻めてるから、結構有利かも!



―残り30秒!



その審判の言葉を聞いた瞬間、何故か足の力が抜けて転んでしまった。


だから、ボールを持っていた友美ちゃんは焦って、相手にボールを取られちゃった。



「ごめん!理沙っち、パスお願い!」


「ここから!?」



理沙っちはほぼ相手コートの中で、私は自分のゴール下。


女の子の力では、かなり難しいかもしれない、けど……



「一か八かだよ!」


「う、うん!!」



理沙っちは、相手に取られない様に思い切りボールを投げた。


それは、私にまで届かなかったけど走って取りに行った。



―残り10秒!



「日芽行けーっ!!!」



ごめんね、美緒。


周りから見れば、今の私は楽しそうにバスケをしてる様に見えるかもしれない。


でも、ホントは凄く悩んでいて心の中がモヤモヤしてる。


こんなに暴れたって、何したって…ダメなんだよ。



―ガタンッ…


―ピー!!



「…はぁっ…はぁっ…」


「入った…」


「日芽、入ったよぉ!!勝った、勝ったー!」


「日芽ちゃん、凄い!」



今すぐに、ごめんって言いたいよ……。



「また怪我しちゃったね」


「うん。でも全勝!」


「日芽ちゃんのおかげだよぉ」



友美ちゃんは嬉しそうにニコニコしてる。


頑張って良かった。