それから、何も変わらないまま球技大会当日。
「橋下ちゃん、バスケ上手過ぎ!バスケ部来なよ!」
「あはは~…」
無理に笑ってると、友美ちゃんが隣に来た。
「今から入るのは…ちょっとね」
「友美ちゃん…美緒、何か言ってた?最近、よく話してるよね」
言うと、友美ちゃんは首を傾げて汗を拭いた。
「何も?でも、最近は元気無いかなぁ。日芽ちゃん、喧嘩しちゃったの?」
「…うん…」
サッカーのコートの方を見ると、美緒達は楽しそうにボールを蹴ってた。
校庭を囲むネットに寄り掛かって、友達と楽しそうに話すジョウも見つけた。
「そっか…。理由は分からないけど、美緒ちゃん優しいから大丈夫だよ!」
言うと、にっと笑った友美ちゃんだったけど、どこかよそよそしかった。
「日芽!友美!試合だよー!」
「あ、今行く!!」
友美ちゃんが居てくれて良かった…。
―ピー!!!
ホイッスルが鳴って、試合終了の合図。
季節に合わない汗が、頬を伝った。
「勝った………」
でも、相手のファウルの所為で転んで、右腕と右足を怪我してしまった。
「いったー…」
砂がたくさん付いてたから、水で洗い流していると、隣にジョウがやって来た。
「…怪我したん!?」
「あ、うん…。林君がぶつかって来て」
「男かよ」
ジョウが眉間に皺を寄せた。
また、嫉妬。