―キーンコーン…
結局、美緒も奈津も弥生も来ないままチャイムが鳴ってしまった。
「…はぁ……」
溜め息を吐いてから、8組の方を見る。
今、チャイムが鳴ったばかりなのにジョウは突っ伏せていた。
「球技大会のメンバー決めするぞー」
なんて言ってる横山は、全くやる気なし。
学級委員ははしゃいでるけど。
「バレーやりたい人!」
ぼーっとしてたら、大半の人が決まってた。
後決まっていないのは、私と休んでる三人。
「日芽ちゃん、バスケ上手いんだからバスケ来てー!」
「え…でも」
「決定!!奈津とやよと美緒ちゃんはサッカーね!」
一人納得出来ない私と、盛り上がるクラス。
こんなの、もう決まりじゃん。
「朝は…ごめんね」
「ん…俺もごめん」
ジョウは手を差し出して来て、私も釣られてしまって握手した。
「ジョウは球技大会、何になったの?」
「俺?俺はサッカー!」
「え…」
ジョウまでサッカーだと、休憩時間も違うしホントに仲間外れにされてるみたい。
…されてるのかな…?
「仁君…何か言ってた…?」
「仁?あぁ~…。ごめんって」
「ごめん?」
ジョウは落ちていた缶を蹴った。
そして、荷物に肩に掛け直してから顔を上げた。
「俺が自分で解決しないで、日芽ちゃんに頼んだから…って、反省してた」
「…そっか……」
苦しいのは、私だけじゃない。