「ちょっと、めまいまでは心配だなぁ。
貧血か?」



貧血かぁ。


そうなのかなぁ?



「一応医師呼んでくるから。
ここで、楽な体制で待ってて。」




そう言って、先輩は部屋を出て行ってしまった。


医師より、先輩がいてくれた方が、何倍も楽になれるのに。




ソファーに深く腰をかけると、先輩が来た。



「連れて来たよ。」



後ろには、真黒な髪の毛をお団子に結んだ、女の先生だった。





「では、ちょっと診察させてね?
誓は外にいて?」



呼び捨てなんだ。


先輩は部屋からスッと出て行った。



「じゃあ、いくつかの質問させてほしいの。」




「はぁ。」



質問だけで平気なのだろうか?


とりあえず、私は質問に答えて行った。