呆れながら、私から視線を逸らす蒼。

そんな私たちのやりとりを見て、みんなは笑う。


「やっぱ、美月はいいわ~!」


お腹を抱えて笑う茜。


「マジで、こんな蒼初めて見たわ!」


健くんが茜に続く。


「蒼はいつもこんなだよ~!お父さんみたいっ!」


私の言葉にみんなは大爆笑。

私が見ている蒼は、みんなに見せる蒼とは違うの?


「美月が危なっかしいからだろ?」

「私のせいにした!」


ホッペタを膨らませて、イジケてみせた。


「蒼が『蒼』って呼ばせてるのも、『女の子を呼び捨て』してるのも初めてだしな」

「そう言われてみればそうだね~!」


そうなの?


「だって、相原、美月の家に泊っちゃったしね?」

「バっ!それは仕方なくだろ?!」

「は?!なにそれ!初めて聞いた!どういうこと?!」


茜がここで冷やかしのネタを振る。

それに見事に食いついた心くん。

まぁ、健くんは聞いていたんだろうけど…。


「泊ったのは事実だけど!何にもなかったって言っただろ!」

「怪しすぎるんだって!」

「確かにねぇ~。」


茜…あの時、しょぼくれてたのに、まだ信じてくれてなかったのか…。

私が口を挟む間もないほど、話しがテンポよく進む。

息があってるって言うかなんて言うか…。

質問攻めにあう蒼を、少しかわいそうに思いながら、私はその会話を楽しんでいた。