次の日からもクラスメイトたちの様子は変わる様子はなかった。

疲れる…。

これも慣れなのかな。

なんだかんだいって、茜や蒼のペースに巻き込まれて、会話に参加している自分がいた。

最初の計画は、転校して1日で脆くも崩れ去ったのだった。


今まで、クラスメイトに囲まれている事が多かった私にとっては、昔に戻ったような…そんな感覚。

楽しくないと言えば嘘になる。

でも、ボーダーラインを越えてこないで欲しい。

まぁ…楽しいと思えてることも奇跡かもしれないけど。


授業は、翌日の学力テストに備え、自習が多く、真剣に教科書や問題集にに向かっているクラスメイトが多かった。

私が、問題集に視線を落とした時、教科書を持ったまま、振り返る蒼。


「ここ…わかる?」

「どこ?」

「問3。」


私が説明を始めると、『うんうん』と頷きながら聞き入る蒼。


「なるほど!教えるのうまいな!」

「そう?…ありがとう」


蒼が、ニッコリと微笑んだ後、自分の机に向かい直す。

その時。


「相原〜。」

「うわ…来た…。」


教科書と問題集を持って、茜が駆け寄ってくるのが視界に入った。


「駿河に教えてると、こっちの勉強進まないんだよ。」

「いいじゃん、ケチケチすんなって!」


文句を言いながらも、蒼は茜に丁寧に説明をする。

わかりやすい…。

私は視線を上げることなく、2人の会話を聞いていた。