昼休み。


「おはよ~」


そう言いながら、歩み寄る茜。

一体この子は一日何時間寝ているのか…。

目をこすりながらお弁当を持って歩いている様子を見るとさっきの時間も寝ていたんだろう…。



テストの答え合わせを終わらせた後、順位表は昼休み中には貼りだされると担任が言っていた。

二時間目から、蒼と私は点数の公表をしなかった。

昼休みに貼りだされる順位表で決着をつけようとの、蒼の提案だった。


決着って言われても…。

別に、テストの順位がどうだって構わないんだけど…。

それでも、異様なライバル心を持たれてしまったらしい。

茜は、テストが返却になるたびに、蒼に提出。

自分の時間を割いて教えてやったんだから!という蒼の主張もわからなくはない。

ホントに大変だったし…。


「よし!昼食ったら見に行くからな!覚悟しとけよ!」


気合いを入れて購買に向かった蒼。

なんだかな~。


「相原、何事に対しても負けず嫌いだからね。」

「そうなんだ…」


茜は、そんな蒼を見慣れてるのか、あまり気にしていなかった。

『お腹すいた~』と言いながら、茜はお弁当を広げる。


「茜…午前中寝てばっかりだったのに…いつお腹すくことしたのよ。」

「育ち盛りだから仕方ない!」


ものすごい勢いでお弁当を食べ始めた茜。

お弁当の大きさも私の1.5倍はありそうなのに…。

痩せの大食いとはこのことか…。

つくづく羨ましい…。