98・95・48・35…


「ってか、その点数でこの茜様に勝った気でいたわけ?!」

「この間のテスト、駿河30点も行かなかったじゃねーか!」

「今回の数学は、俺頑張って教えたから…」

「相原に教えてもらってそれかよ!」


坂下くんの言い分もわかるけど…。

35点はあんまりだ…。


「確かにな~、駿河は喜ぶ点数じゃないな」

「えぇ?!だって、四捨五入したら50点だよ!半分だよ!」

「茜…そこで四捨五入するのは間違ってると思う…」

「「だよな~」」


私に同意する二人。

茜はいじけたような表情を見せていた。

どんな顔してもキレイな子はキレイだな…。


「ってかね!1問しか間違わない美月が変なんだよ!」


しゃべらなきゃ…完璧なのに…。

茜の怒りの矛先は、私に向かっていた。


「どんな頭してるのか、勝ち割ってみてやる!」

「ちょ!待って!」


グーを掲げて私に殴りかかるフリをする茜。


「授業中寝てるからだ…」


そんな茜に、ボソッと正攻法で攻める蒼。

茜はグーを振りかざしたまま、蒼をギロっと睨みつける。


「少しくらい英語ができるからって…!」

「だから、テスト前だけやったってダメなんだって何回言ったらわかるんだよ!」


振り下ろされる茜の腕をキャッチした蒼は、これまたごもっともな事を言って茜を叱る。


「だって!眠くなるんだもん!仕方ないじゃん!私、日本人だし!」

「夜寝ろ!」


テスト返却を終えた担任が私たちの会話に入り込んだ。


「寝てます!」


…茜…。

アンタって人は…。

自信満々に、胸を張って答える茜に、呆れたのは私だけではなかったはず…。


担任に席に着くよう注意された茜は、答案用紙をもって渋々戻って行った。

そんな茜は、テストの答え合わせをしている間も眠っていた…。