これは相当良かったな…。

次は私の番。


「青柳。」

「はぁい。」


茜と蒼の担任に接する態度に似てきた?

私は、先生が呼ぶのと同時に小走りでテストを受け取る。

別に急いだって点数が上がるわけではないのはわかっているのだけれど、次に呼ばれる人…すなわち秋野さんも立ち上がっていたため、下手すれば点数が見られてしまう…。

そんな焦りから、私は先生のもとへ駆け寄った。


「さすがだな。」


先生に、そう言われて、何の事かわからずに、点数を見る前に席に戻る。


「どうだった?」


この表情…。

ホントにわかりやすい…。

蒼は得意気に振り返り私に問いかけた。


「まだ見てない…」

「なんでだよ。」


得意な教科とは言え、転校してすぐのテスト。

充分に勉強できたとは言えない。

少し不安に思いながらそっと半分に折っていたテストを開いた。


「あ…」

「なに?何点?」


興味津津の蒼。


「個人情報だから!」


私がそう言うと、蒼は少し膨れた表情をして、『ケチ!』と言い放つ。

ここでムッとした私もやっぱり子供だな…。


「蒼は?何点だったのよ」

「美月が教えてくれないなら教えない!」


感じ悪い…。

私たちがそんなやりとりをしているとき、教壇でテストを受け取った茜がこっちに走ってくるのが見えた。