少しの沈黙…。

クラスメイトの視線も私に集まっていることに気づいた。


「え…っと、私の話?」

「他に誰がいるのよ!」


駿河さんの鋭いツッコミにより、教室は笑いの渦。

可愛いって言うから…誰の事かと思った。

ってか、彼氏って1人で充分なんじゃ?

一人や二人って…


「で?何人いるの?」


彼氏の有無ではなく、何人って質問の仕方おかしくない?


「え…い、いないけど…」

「……………」


さっきまで騒がしかった教室が、急に静まり返る。


「…マジ?」


ようやく駿河さんが口を開く。


「マジだけど…」


自慢じゃないけど、彼氏いない暦=年齢の私。

欲しくなかったわけじゃなかったけど、

友達以上に思える人もいなかったから。

無理して作るものでもないと思っていた。

今の私には彼氏を作る余裕なんてないし。


「別れたばっかりとか?」

「ってか、彼氏いたことないし…」

「「「うそぉ!?」」」


待って…そんなにみんなで言うことなくない?


「…私、モテないよ?」

「「ウソだぁ!」」


相原くんと駿河さんはそろって私を疑う。


「ホントだよ…」


そんなことウソついてどうなるのよ…。

もう…そっとしておいてよ…。