………え?



ちょっと待って?

なんで…………



「なんで蒼が私の部屋にいるの?!」

「…朝からデカい声出すなよ……」


だって……

朝からって言っても私たちが寝起きなだけで、実際は正午を過ぎていた。

ここは間違いなく私の部屋…。

あったま痛いしっ!

なにこれ…


「もとはといえば、お前が掴んで離さないのが悪い」

「掴んで……?」


蒼は一体何を言ってるの?

頭の中は『?』でいっぱい。


「お前…ホントに覚えてないの?昨日のこと。」


昨日…?

茜が、歓迎会をしてくれて。

渋々、参加して。

坂下くんが…って、それは忘れよう。

秋野さんと話を…あぁ、腹立つ!

それから、蒼と話して、パーカー借りて。

あ、二次会で、健くんと、心くんとあって…。

挨拶をして…?

茜に薦められたドリンクを飲んでた…けど…。

楽しかったんだけど…。

私、そのあとどうした?


「俺だって、出会って一週間の、しかも女の一人暮らしの部屋になんて泊まったらマズいことくらいわかってるよっ!」


蒼は、照れくさそうに、私から視線を逸らし、頭を掻いていた。

じゃぁ……?


「お前が、服を掴んで離さなかったから、ってか、むしろ抱えてたから、帰れなかったのっ!」

「えぇ?!私が?」

「他に誰がいる…」

「…………?」


蒼とジッと見合ったまま首を傾げる。


「お前しかいないだろうが…。」

「……ですよね…ごめんなさい。」


全然覚えてない…。

抱えてたって…。

頭は痛いし。

これ以上、深くは関わりたくないとすら思ってたのに?