「そっか!でも、この学校の編入試験って難しいんだろ?大変だったな。」


私の迷惑そうな顔を全く気にしない相原と呼ばれた男子生徒。


「そうなの?編入試験なんて今回が初めてだから、比べようがない。」


我ながら、冷たい返事。

これで、少し黙ってくれればいいけど。


「そうだよな!悪い!変なこと聞いて。」


って…。

この人天然?

その後も、話をやめようとはしない相原くん。

いくら無愛想な返事を続けても…。


私、始めっから、この人のペースにはまってる気がするんだけど。


関わりたくないと言っても、何事もなく穏便に暮らしたいだけ。

無視をするようなことはしたくない。

表面だけの、薄っぺらく、計算高く…。


ここ、星陵高校は県内でも有数の進学校。

特に学歴に拘る訳ではないけれど、いい学校を出ておくにこしたことはないだろう…。

そんな理由でこの学校を選んだ。


中学の時には、想像もしなかったな。

中学受験をして…高校もそのまま持ち上がり。

外部から高校入学をする人はいたけれど、

他の学校に私が通う事になるなんて…。