「何やってんだよ?座れよっ!」


私の気配を感じたらしく、自分の横をポンポンっと叩く。

『ここに座れ』って事だよね?

さっき、私が座ってた席なんだけど…。

ドキドキと速まる鼓動を押さえようとしながらも席につく。


「「おかえり~!」」


茜と坂下くんが声をそろえて迎えてくれた。


「ただいま!」


元気よく返事をした私。

それに対して蒼は何事もなかったかのように、微笑んでその光景を見ていた。


蒼の中では、大したことじゃなくて…。

あ、パーカーが似合ってるとかそういう事だったのかも!



…こんなに大きいのに?


いやいや、それしか考えられないでしょ!

よく言うよね!

ほら、メンズのワイシャツを着て、指先だけが出てるような女の子を見ると…。

みたいな!

そんな感じだよね。



まぁ…指先も出ないんだけどね。



いやいやいや!


私が自惚れてただけなんだ。

うん。

そう思うと納得できる。

そういう事にしよう!


でも、やたら恥ずかしい…。

私カッコ悪い。

おさまったと思ってたのに、また顔が熱くなってきた…。


「…そういうことぉ~?」


私をジッと見た後、ニヤニヤしながら蒼に話しかける茜。