ぽんっと頭を軽く叩き、みんなのいる方に戻っていった。

………今なんて?

時間差で顔が熱くなる。

可愛いって誰が?!


「ごめん…あんまり見ないで…。」


蒼が足を止めて、前を向いたまま言った。


「…っ!ごめんなさい!」


無意識に呆然と立ち尽くしたまま、蒼の背中を見ていた自分に気づき、焦って体ごと横を向く。


「……本心だから。」

「?!」


驚きのあまり、声が出せなくて、口がパクパクしていた。


「はは!なにやってんだよ!」


ここで笑うの?

ううん、そんなことはどうでもいい!

本心ってどういうこと?

問いかける前に、蒼は私に背中を向けていた。


頭の中はグルグルと、蒼の台詞が駆けめぐる。

…でも、茜も心配してるだろうと思い、深呼吸をして足早に席に戻った。