店から出てきたのは秋野さん達3人組。


ずっと、あの視線が忘れられなかった。


「ちょっと話してもいいかな」

「…どうぞ」


もしかして…また、始まってしまうの?

自然と嫌な予感が頭を過る。

話をしたいと言いながら、ベンチに座る訳でもなく、私の前に3人揃って立ちはだかる。


「アンタさぁ…相原くんの何?」


…やっぱり話したかったのはその事でしょ?


「…友達?」


正直、友達と呼べるかどうかだって微妙なところ。


「遥はね!一年の時から相原くんが好きなのよ!」


『やっぱり…』としか言いようがない。

秋野さんだって、茜には負けるけど、キレイ系。

やっぱり、蒼はモテるんだ。

妙に冷静にそんな事を再確認する。


「必要以上に関わらないで!色目使ってるようにしか見えないのよ!話はそれだけ。」


そう言って、3人は店の中へ戻っていった。


言い逃げですか…

嵐のようだった…。


でも、人を好きになるって大変なんだな…。


ほっとしたものの、なんだか席には戻りたくなくて、

ベンチに腰をかけたまま、また視線は空に戻っていた。

今まで、まともに『恋愛』をしたことがない。

もちろん『嫉妬』なんて感情は理解できない。