「なんで?」


なんで?!

そんなこと突然言われても…

しかも、こんな体勢で…


「そうい…うことは、彼女に…ね?」


そう言って、立ち上がろうとするも、なかなか自由が利かない。

がっちりと掴まれる私の肩。

蒼も、やっぱり男なんだ。


「美月は俺の彼女だろ?」

「え?いや、学校だけの嘘の付き合いでしょ?」


完璧酔ってるよねぇ…。

どうすれば…


「じゃぁ、今から、ホントにしよう?」

「え…あの…ちょっ……」

「ホントにしよう…」

「ぇ…あの、だって……」


付き合うって、好きな人同士が付き合うもので、私たちはただ…

私の返事を催促するように、もう一度問いかける蒼。

どうしよう…。


「美月……好きだ…」

「……っ?!」


蒼の温もりが、私の唇に重なった。

何が起きたの…。

そして、蒼の唇が、私の首筋に降りてくる。


「んっ!ちょっと蒼っ!」


私が、蒼を引き離そうとしていると、蒼は私にかぶさったまま寝息を立てていた。

え…?

結局はそのまま、眠りについた蒼。

私が転校してきてすぐにやったことそのままかもしれない。

でも、『好き』って…。

『ホントにしよう』って…。

一体何を考えて…