でも、問いつめても教えてくれないのもいつものこと。


「…でも、秋野さん達、ホントに良かったの?」

「いいのっ!秋野達とは、めんどくさいから極力関わりたくない。」

「関わりたくない人に接してる態度には見えなかったけど…?」


楽しそうに話してたじゃない。

不信な表情で蒼を見上げた。


「だから、妬かないのっ!」

「なっ!妬いてなんかいないってば!ナルシストっ!」


『素直じゃないなぁ~』などと言われながら、

家までの道のりを蒼と二人、並んで歩く。

とことんプラス思考なんだから…。

呆れながらも、蒼の横顔をジッと見つめた。

さっきまでの不安はない。

良かった。

蒼が送ってくれて。

私の視線に気づいたのか、『カッコいいからって、あんまり見つめないで~』とニヤニヤ笑いながら言う蒼に、わざとらしくため息をついてやった。


「到着~!」

「ありがとう」

「いいぇ~!じゃ、また月曜日な?」


頭をポンっと叩かれる。


「コーヒーか紅茶でよければすぐ入れられるけど?」

「マジ?う~ん。ビールがいい!」

「家主が飲まないのにある訳ないじゃん…」


蒼の発言に呆れ顔。

この間、茜と一緒に来たときに買ってきたビールだって

二人であっと言う間に飲み干した。

それに、さっきも珍しく飲んでたのに…。


「じゃ、コンビニ行ってくるから、つまみ!用意しといて!」

「えぇ!?」


そのまま、コンビニまでダッシュで行ってしまった。


つ…つまみ…って、冷蔵庫の中、なんかあったかなぁ。