ふてくされて、視線を逸らす私に、予想外の言葉が飛んでくる。


「やっぱ、可愛いなぁ、お前!」


はぁ?!

ちょっ…

いきなり抱きしめる蒼。


「な…」

「秋野と俺が一緒にいるのがイヤだったんだ?」

「違っ!そんなこと…」

「かまって欲しかった?」

「…………」


ホントに違うのかな…。

もしかして蒼の言うとおり?

かまって欲しかったの?

私が?

蒼に?


「秋野に嫉妬しちゃった?」

「え?違うって…!」


今日は、『嫉妬』とか『ヤキモチ』とか…よく聞く日。


「違うから!嫉妬とかじゃないよ!」

「いいって、素直になれよ!顔真っ赤だよ~?」


冷やかす蒼。

顔?

確かに熱いかも?

でもでも、断じて認めるわけにはいかない!


「暗いから、色なんかわかんないじゃない!」


私の苦しい言い訳を、蒼は『はいはい』と適当にあしらう。


「じゃ、帰るぞ?足、大丈夫か?」

「あ、うん」


蒼と、そんなやりとりをしているうちに、

いつの間にか足の震えは止まっていた。

終始、ニヤニヤしっぱなしの蒼。


「…何考えてるの?」

「別に~?」


なんか感じ悪っ!

なんなの?

茜といい、蒼といい!