「桜、向こう行こう!」

「え?いいの?」

「いいの、いいの!」


桜を連れて、私は蒼と秋野さんが視界に入らない位置に座った。


「美月?ホントにあのままにしてきて良かったの?」

「うん、別にいいんじゃない?」

「ふぅ~ん…」


そのまま、桜と話をしながら食事を楽しんだ。


「桜は?久保田くんと旅行とか行くんじゃないの?」


こっちでもついつい夏休みの話になってしまう。

やっぱり楽しみだしね!


「計画してって頼んではいるんだけどね!どこに行くことになるのかわかんないんだ~」


なるほどね!

サプライズ的な感じで楽しいかも!


「相原くんはそう言うの得意そうだよね?」

「え…?」

「美月に内緒で計画してそう!」


確かに、蒼はそう言うの好きそうだな。

って、カップルじゃないんだから!

夏休みまで蒼といるはずはない。


「蒼は秋野さんと海にでも行くんじゃない?」


私の言葉に、いつの間にか後ろにいた茜がクスクス笑う。


「何よぉ?」


なんか感じ悪いなぁ。

茜を見上げながら怪訝な表情を見せるた私。


「相原くんとケンカでもしたの?」

「ううん。してないよ。」


桜がやんわりと問いかける言葉に即答する私。