「え?喧嘩?」

「もぅ?なんでなんで?」

「一緒に帰らないって…」

「えぇ~?!」


私たちの会話が聞こえたらしく、クラスメイトがヒソヒソと話していた。

でも、ばっちり聞こえちゃってて…。

ってか、聞こえるように言ってません?

一緒に帰らないことだけで事件になってしまうの?

………めんどくさいなぁ。


「はい、一緒に帰らせていただきます…」

「飲まれてんな、お前。」

「めんどくさいのイヤ…」


蒼は、私の頭をポンポンっと叩いて自分の席へ戻って行った。


「はぁ…茜も付き合いだしたときってこんなだったの?」

「私と健は中学の時だから、こんなお祭り騒ぎはなかったよ。」


あ、そっか。

そりゃそうだよね。

茜と健くんは長いんだった。

それに、クラッカーを持たせたのも茜だろうし…。

こんな祝い方は初めて。


「桜の時は?」

「クラッカーはなかったなぁ。私たちの時は相原くんに飲み会のネタにされたよ。」


蒼…あなたもですか…。


「でも、相原くんはバレバレだったよね~?」

「何が?」

「美月が転校してきてから、ずっと恋愛モードだったっ!」


…桜ちゃん…

嘘なんです…


「はは!そうだよね~」


いや、茜まで…

事情知ってんじゃん!

まぁ、桜の前で言えないのはわかるけど…。