お祭り好きとは聞いてたけど…ここまで?

クラッカーまで用意しちゃうの?


「馴れ初めは、だいたい茜に聞いたから~!」

「やっぱり相原かよ~!やるなっお前!」


う…嘘なのに…

茜の奴…協力したな!?

というか…この騒ぎの首謀者は茜だな…きっと。

私たちは、腕を引かれて教室の中へ引きずり込まれる。

笑顔のクラスメイトに戸惑いを隠せない。

蒼は、なんだか一緒になって喜んでるし。


「記念撮影するよ~!」

「えぇ?!」


カメラまで持参?


蒼は意外とノリノリで、どさくさに紛れて肩なんか抱かれたくらいにして…。


「美月ちゃん、テレてないでスマイルちょうだぁ~い!」


カメラを持った友達も、カメラマン気取りで、もうやけくそだっ!

蒼の肩…というか、胸?に頭をくっつけて、思いっきり営業スマイル!


「いいねぇ~!」


…よくないよ……。


「ってことで、今週の金曜日、お祝い飲み会するから参加するように~!」


茜…あなたって人は…

人をダシに飲みたいだけでしょうっ!

そんなこんなで、午前中だけでも疲れました。

教室は常にお祭りモード。

クラッカーの音と騒がしい教室には、他のクラスからも野次馬が集まり、いつの間にか私と蒼が付き合いだした事が学校中に知れ渡っていた。

担任まで『やっぱり、お前等はくっついたか!』とか言うし。

やっぱりって何よ!

くっついてないっつの!


「美月、今日帰りどうする?」

「一人で帰るぅ~」


蒼といると、冷やかされて大変だから。

今は一人になって落ち着きたい気分だった。