両親は、私に無関心。

仕事に追われてばかりいるから。

私が、転校したいと言ったときも、理由すら聞かなかった。


それはそれで助かったんだけど。


友達にしてもそう。

私はしっかり者でいたくて。

今までの友達が私のお酒を飲んだ姿を見たら

多分、どん引きだと思う。

虚勢をはり続けてきた。


「…いや、悪かったな、無理に思い出させて。」

「ううん。なんか、隠してるのも…隠すことかもだけど、ずっと重たくて。」

「ちょっとは軽くなった?」

「うん!ありがとう!」


蒼は、いつもの笑顔を向けてくれる。

当たり前のように、蒼が受け入れてくれることがすごく嬉しい。


「触れられるのは、だいぶ慣れたみたいだから、次は…何から治そうか?」

「…あ。でも…触れられるのは…多分、蒼だから大丈夫なんだと思うよ。」

「俺?」

「そう。だから、例えば他の人に肩を叩かれただけでもダメだと思う。」


きっと、そう。

なんでだかはわからないけど…。

蒼の…温もりは怖くない。

でも、他の人に触れられるのは、まだ怖いままだった。


「……それはそれで嬉しいような気もするけど…」

「え?」

「いや、ゆっくりでいいから、リハビリ頑張ろう!」


頭を撫でる蒼。

本当に不思議な手だなぁ~。

なんで大丈夫なんだろう。