「お前は、前を向いて、自分に自信もってればいいから!」


自信の持ち方なんて…

もう、とっくの昔に忘れてきているような気もする。

私のいいところって何だろう…。


「…お前は、俺が守るから。」


心ここにあらず。

そんな状態だった私が、蒼のその一言によって現実へと引き戻される。


「俺は、一生懸命話してくれた、美月の深い傷を癒したい。」

「…蒼……」


なんでそこまで?

涙が溢れてくる。


「泣き虫…また、明日も腫れちゃうぞ?」


優しく微笑みながら、涙を拭ってくれる。

初めて話せたのが、蒼でよかった。


「美月に、気を使ってるわけじゃない。俺は、俺のしたいようにするだけだから。」


そう続けて頭をなでてくれた…

そんな蒼の優しさが嬉しかった。


「なんか、作り甲斐あっていいな」

「ん?」


蒼は、私が作ったご飯を頬張りながら顔をあげる。

なんか、時々子供みたい。

普段は頼りになるのにな。


「蒼が、おいしそうに食べてくれるから。一人だと、あんまり作る気にならないから。簡単な物ばっかりでごめんね。」

「全然っ!だって、うまいし!」


素直に喜べる。


「蒼…ありがとう」

「いいえ~、ご馳走になって悪いな!」

「あ、うん。それもそうなんだけど、

昨日…話聞いてくれてありがとう」


あんなに正直に…ありのままの自分を出せたのは初めてだった。