「見ーつけた。」


そう言われて、あたしはあっさりと見つかってしまった。


「あれ? どっかで会ったことない?」

「覗きの次は、誘ってんの?」

「ちっ、違っ!!!」

「純情そうな顔して、すごいね 先輩。」


あらぬ疑いをかけられて、あたしは脳内パニック中。


でも、やっぱりどっかで見たことある。


すると男の子はクスリと笑った。


「嘘、会ったことあるよ 入学式のとき。」

「ふえ?」

「目、あったでしょ?」


…ぁあッッ!!

あのときの!!

どうりで見たことあると思った。


また脳内で理解していると、蒼空くんは首を傾げながら あたしに聞いた。


「思い出しましたか?」

「うんっ!!、あのときの子だったんだぁ。」


あたしが満面の微笑みを浮かべていると、蒼空くんは真顔になった。


「で、あの先輩が何の用で覗き?」

「んと、わっ 忘れ物探しに…。」

「ふーん、てかね先輩のせいで中途半端で終わったんだけど。」

「ご、ごめんなさい…。」


うぅ…

蒼空くん、真顔がものすごい怖いんだけど!!


逆らえないよ……


「責任、とってくれるよね?」

「は………はぁ!?」


思わず「はい」と言いそうになり、おかしなことに気付いた。