なんてことしてんの!?

一体、どんな神経して…


てゆーか、どうしよう?


早くここから立ち去らなきゃ!


そう思い、後退りし始めたとき


ドンッ


あたしは、棚にぶつかってしまった。


その場がシンと静まる。


「…らくんのバカッ!」

「はぁっ!?」


女は泣きながら怒り、
男は呆れたような顔をしついるみたいだ。


男の顔は逆光でよく見えない。


「あたし以外にも、まだ女がいたのねっ!!」


女はそう言うと、乱れた服を直し、立ち上がった。


「蒼空くんなんて、知らないんだからっ!!」


はへ?
そら…どっかで聞いたことあるような───。


ああっ!!

椿が言ってた、可愛い系の後輩くんの名前だっ!!!


すっっかり忘れてた。


っていうか、入学からそんなにたってないのに女遊びしてるとか……


おかしくない?


そんなことを思ってるうちに、女は図書室から出ていった。


「…そこにいんの、誰っすか?」

「……υ」


どうしよう、これは困った。


「出て来ないなら、こっちから行きますよ?」

「……υ」

「…無言なら、こっちから行きます。」


コツコツ


ゆっくりと、蒼空くんという男の子が近付いてくる。


コツッ


足音はあたしのすぐ近くで止まった。


ひぃぃぃ~~!!!!

来たぁ~~!!!!


あたしの心拍数は死んでしまうんじゃないかというほど、速くなっていった。