ヨットレースは終わった。
選手たちは、海岸に戻ってきている。

アヤっ!

帰ろう?!

と、私はアヤの肩に手を置いた。

うん!帰ろう。

とアヤはうなずいて応えた。

私達は、人だかりを背にして歩きだした。

アヤは、まだ後ろが気になるらしく歩いては、後ろを振り返っている。

アヤにつられて私も振り返った瞬間に、あの鈴木ツヨシって人が、テントの裏側に座り込んで泣いているように見えた。

途中からレースを見たけどなかなか熱いレースだったと思う。

泣くほどこのレースに力が入ってたのかな?

と、ユカは心の中でつぶやいていた。