◆◇◆◇ 分かってた。 自惚れだってことくらい。 ・ ・ ・ ・ 「佐伯さん、これ食べない?」 「……え?」 「美味しいんだよ、これ」 「あ……ありがとう」 彼女……上原優花と教室で話すようになってから、 他の女子たちにも、こんなふうに声をかけられるようになった。 中学まではそれも普通だったはずだけど、 高校に入ってからのあたしにはこんな事態は初めてで。 返事って、どう返すものだったんだろう。なんて。 戸惑ってしまう。