「あっ、する!します!…えと、はいっ」


と完璧に戸惑いながら携帯を差し出す私を見て、葵くんはまた、優しい笑みをこぼした。




「よし、オッケー。」


お互い登録が終わり、携帯を閉じたとき、タイミングよく予鈴が鳴った。




「あの、ありがとう!…またメールします!」


「うん、待ってる。」


「…じゃぁ、またね?」


「バイバイ」



葵くんの声を最後まで聞くと、扉の方に向かって歩きだした。


平然を装って歩いたつもりだけど、自分の顔がタコのように赤いだろうなっていうのは、なんとなくわかった…。



"うん、待ってる"って言ってくれた…。


嬉しい…。